愚か者

私は、正しく、その上賢い。

他人よりも、早く正しく行動できる。

 

そう思っていないと、やっていられなかった。

薄汚い家族の中で、幼い私は自分にそう言い聞かせて成長してきた。自分の魂をいかに美しく保つか、いつも考えていた。

 

滑稽だな。

今は精神障害者

まさか、自分が原因で泥道にすっ転ぶとは思いもしなかった。

 

でも、楽になった。

緊張する必要はない。

私は、「正しい愚か者」になった。

 

テディ

私は長らく「友達」というものを持たずにきた。私はひとより長く「学校」という閉鎖空間に身を置いていたから、「友達」っぽい存在はあった。でも、それは便宜上。

家庭環境の複雑な中で育ったので、多分同い年の子より、早く「大人」になってしまった事も要因としてあると思う。

私は自分で自分を不器用に育ててしまった結果、幼稚なままの私を、自分の奥底に残してしまった。

闇猫は、そんな幼い私を「テディ」と呼んで可愛がってくれる。2歳のテディ。やっと見つけてもらえた。

 

今後、2歳の私が成長するのか、はたまた2歳のままなのかは本人にも分からない。

ただ、思うのは私の内にある「テディ」の存在によって、素の自分がもっと自然で、柔軟になるのではないかとういうこと。

友達は100人もいらない。時間はあっても、体力、気力、経済力…、何もかもかも足りない。こんな私でも友達だと思って関わってくれている人には感謝しかない。

 

2歳のテディは、闇猫だけしか知らない。きっと今後も。

 

 

50

無事?50歳になりました。

あー、よくここまで生きてきたもんだ。

れおなが盛大に祝ってくれました。

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サプライズのバルーンに、バースデーケーキに、チーズ入り特大ハンバーグ。

幸せいっぱいの誕生日になりました。

 

さて、ここからどう生きていこうかな?

きっと変わり映えのない生活だとは思うけど、なんで言うかな、もっと楽に生きられたらいいな。

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最後の一日

昨夜から寝つけなかった。「明日はヘルパーさんか…」などと考えていると緊張して眠れなくなるからだ。

台風到来でいつもより激しくチリンチリンと叩くように鳴る風鈴の音を聞きながら、YouTubeを眺めていた。

今日は私の40代最後の日。明日誕生日。闇猫が何か考えてくれている様子。

50になるからといって、新たな志やら決意のようなものはない。随分と幼稚な五十路だけれど、肩の力を抜いて生きていきたい。

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贅沢な一杯

ドトール系列のコーヒーチェーン店、エクシオールカフェで売り出している「ドミニカンルビー」というコーヒーがある。

底辺の生活を送っている私たちにとっては、なかなか高価な豆。

今、そのコーヒーを2人で飲んでいる。

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カップから最初に感じるのは柔らかな苦味。後からその苦味を覆うように華やかな甘味が広がる。その風味の繊細さはベルベットのよう。

 

部屋に射し込んでいた西日も落ちた。窓際で昼寝をしていたみぃちゃんは隣の部屋のベッドに移動して、また新たな眠りを楽しんでいる。

 

ハンドドリップでコーヒーを飲む時、私たちには、ちょっと変わった習慣がある。

コーヒーを二口、三口、カップに残しておくこと。

コーヒーは湯の温度と共に味わいが変化してゆく。残ったコーヒーで最後の風味を味わう。これが至極幸福なひととき。

その時間を共に享受できるパートナーが存在していることも、また更に私を幸せにしてくれる。

貧しいけれど、リッチ。確かに生きていて、確かに老いていく。時の流れの中で、断片、断片にやって来る幸福感。

闇猫が私に寄り添ってきた。その温み。

生きている。

 

こんな不甲斐ない私ももうすぐで五十になる。人生の折り返し。きっと這いつくばって、醜態を晒しながら死へ向かって行くのだろう。

でも、きっと隣には闇猫が横にいてくれている。

眠れぬ夜

今夜はどういう訳か眠れない。体調もいいし、特別悩みなどない。引っ越しをしてから、太陽の光がよく入るようになった為か気分もいい。裕福ではないものの、闇猫との生活にとても満足している。

つまりは、幸せなのだ。

でも、こんな夜は非常に寂しい。

睡眠のコントロールが可能であれば、精神疾患の多くは治癒するのではないかと思う。

人間の肥大化した脳みそには、8時間程度の休息なしには快適に活動出来ないようだ。人間ほど可笑しな生き物はいない。

ハダカネズミじゃあるまいし、人間はなぜ体毛が殆どないんだろう。

眉毛なんて、よくよく観察してみれば、これ程滑稽なものはない。目の上にいきなり生えている。それをわざわざ整えたりもする。みぃちゃんにも人と同じような場所に眉毛らしい、若干長めの毛の一群があるけれど、それを整えたりはしないだろう。もちろん、本猫も自身も。

きっとみぃちゃんは私たちを見て、「なんて出来損ないの猫なのだろう」と憐れんでいるのかも知れない。

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